EMBASSY OF JAPAN IN PAKISTAN
大使より着任のご挨拶
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この度、駐パキスタン特命全権大使として着任いたしました倉井高志です。4月初めに赴任し、去る4月29日に大統領への信任状捧呈を終え、内外ともに大使としての活動を開始いたしました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。 パキスタンの現在ある地域と日本の関係の歴史は古く、いにしえよりガンダーラ仏教文化がシルクロードを通じ我が国にまで伝わってきたことに始まり、近代では戦前より我が国繊維産業の主要な原料生産地として、パキスタンは我が国と深い関係を有してきました。1952年に外交関係を樹立して以降も、両国は常に良好な関係を維持してきております。 私の当地における第一の任務は、何と言っても邦人の皆さまの安全の確保であります。当国の治安状況はここ数年、全体として大きく改善されてきておりますが、引き続き日ごろからの十分な注意が必要です。大使館としては適時の情報提供や必要な体制の整備に努めてまいりますが、何か問題がありましたら遠慮なくご相談いただければと思います。 また、当国への日系企業の進出などにかかる企業支援も、大使館としての最重要任務の一つです。我が国からパキスタンへは、自動車関連企業をはじめ多くの企業が進出し、パキスタン経済の発展にも寄与しているところですが、今後さらに多くの日系企業が当国に進出し、経済面の関係を一層強化していけるよう、必要な環境整備に努めてまいります。 人的交流は二国間関係の基礎であり、人と人の直接的な接触や交流の積み重ねは長期的かつ安定した国家関係を支える最重要の要素の一つです。その中でも特に、それぞれの国の未来を背負う若年層の交流は重要であり、JENESYS2.0をはじめとする招聘計画の推進や、国費奨学金留学生および私費留学生を含む留学生の増加にも力を入れていきたいと思います。 パキスタンは、北は8000メートル級の雪の積もる山岳地から、南は常夏に近いアラビア海の海浜まで地理的及び季節的多様性を有し、インダス文明に代表されるような長い歴史を有しています。私自身も当地在勤中に国内のできるだけ多くの場所を訪れ、また多くのパキスタンの方々と接して、政治・経済・文化のあらゆる側面で互恵的な関係を強化していきたいと考えております。 最後になりますが、皆さまのご健勝、また当地における生活が実り多いものとなりますことを心から祈っております。 2016年4月 |
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