和田大使離任の御挨拶
令和6年11月18日

和田大使離任の御挨拶
令和6年11月18日
この度、3年余りとなる大使としての任務を終え、明日イスラマバードを出発いたします。在任中に皆様からいただきました御支援、御厚情に心から感謝申し上げます。
私が妻と共に当地に着任した2021年10月は、依然として新型コロナウイルス感染症の流行が続き、閉塞感の漂う時期でしたが、パキスタンの関係者やイスラマバードの日本人コミュニティの皆様から温かく迎えていただき、大変心強かったことを覚えております。当時、着任の挨拶として、「政治、経済、文化、安全保障等様々な分野で日本とパキスタンとの関係を一段と発展させるべく、誠実に職務に邁進していく所存です」と書かせていただきましたが、振り返りますと、関係者の皆様の御支援により多くの取組を行うことができ、日・パキスタン関係を多方面で発展させることができました。未だ多くの可能性を秘める日・パキスタン関係は今後も発展し続けていくと確信しております。
私は非常に幸運な大使であったと思います。パキスタンは極めて親日的な国であり、日本に対する深い尊敬の念を抱いてくださるパキスタン人が多くいらっしゃいます。日本車・バイクを始めとした日本製品や日本文化も根強い人気を誇っています。2022年の外交関係樹立70周年に加えて、本年の対パキスタン政府開発援助(ODA)開始70周年も祝うことができました。2022年9月には、ニューヨークで日・パキスタン首脳会談が行われ、2023年7月には、ビラーワル・ブットー・ザルダリ外相(当時)の訪日に立ち会うことができました。当地の文化団体との協力を深め、人的交流の促進にも力を入れてきました。パキスタン国内の様々な歴史遺産や景勝地を訪れたことも良い思い出です。しかし、これら多くの出来事の中で最も忘れ難いのは、日本とパキスタンとの架け橋となってくださる多くの情熱に溢れる皆様との出会いと、皆様からいただいた御支援と御厚情です。これ無くしては、私のパキスタンでの3年間がこれほど意義深いものになることはあり得ませんでした。関係する皆様には心から感謝申し上げます。
日本は長年にわたるパキスタンの友好国であり、パキスタンへの累積支援額においても米国に次ぐ2番目の国です。日本はこれからも、パキスタンの安定と発展に向けた努力を支え続けてまいります。当地の日本人コミュニティの皆さまにおかれましても、引き続き当大使館に温かい御支援をいただけますと幸甚です。そのような皆様からの御支援を受け、日・パキスタン関係が今後も発展していくことを願ってやみません。
関係の皆様におかれましては、私の後任となります赤松秀一大使に対しても変わらぬ御指導・御鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
今後の日・パキスタン関係のさらなる発展を祈念し、私の離任挨拶とさせていただきます。
パキスタン駐箚日本国特命全権大使
和田 充広