新春賀詞交換会における赤松秀一大使の挨拶

令和7年1月25日
新春賀詞交換会における赤松秀一大使の挨拶
 
令和7年1月25日
於 日本大使公邸
 

新年あけましておめでとうございます。
年頭に際し、本年が皆様にとりまして幸多き年でありますよう祈念申し上げます。
 
昨年11月末に私がパキスタンに着任してから、早2か月が経過しました。この間、500名を超えるパキスタンの皆様と直接お目にかかる機会に恵まれましたが、「日本が大好き」、「日本のことを尊敬している」、「日本人や日本産品を信頼している」などなど日本に対して非常に好意的な評価をたくさんお聞きすることができました。パキスタンには日本との関係をとても大切に考えてくださっている友人がたくさんいることを実感し、この国に赴任できたことを大変嬉しく感じています。
 
本年は、第二次世界大戦終結から80周年、非同盟諸国が集結したバンドン会議(日パ両国共に参加)開催からも70周年という節目の年です。パキスタン政府は、昨年末に「ウラアン・パキスタン」5か年計画を発表し、固い決意をもって経済成長路線を堅持する姿勢を明確にされました。また、国際場裡では、パキスタンは本年1月から来年末まで国際連合安全保障理事会の非常任理事国として、国際の平和及び安全の維持に大きな役割を果たすことが期待されています。日本とパキスタンとの間には、様々な分野において協力の空間が大きく広がっています。
 
このような年にあって、日本大使としては、特に以下の3点に重点を置いた取組を進めて行きたいと考えています。
第一に、人材育成を含め、パキスタンの人々の暮らしの向上に役立つ開発協力を一層推進して行きます。昨年、日本のパキスタンに対する政府開発援助(ODA)供与が始まってから70周年を迎えました。引き続き相互尊重と相互協力の考えに基づき、「魚を提供するだけでなく、魚の釣り方を教える」という日本の援助哲学に則った支援を続けていきたいと思います。
第二に、日パ両国の間での人と人との交流を強化していきたいと思います。本年4月から10月にかけて、日本では「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が開催されます。この機会に、ハイレベルを含め、より多くのパキスタンの皆様に来日して頂けますよう期待しています。
第三に、人材育成と人材供給面での協力の強化です。現在、日本経済が直面している課題の一つとして、少子高齢化に伴う労働力不足がある一方で、パキスタンにおいては優秀な人材の供給に余剰が生じている状況があります。日パ両国間でWIN-WINとなるようなマッチングが進むことを期待しています。
 
最後に、日本大使である私にとっての最大の願いは、当地の邦人の皆様が安心・安全に暮らし、日系企業の操業が順調に営まれることです。そのために、本年も当館館員一同一丸となって、プロフェッショナルなサービスを提供すべく努力を続ける所存です。何かお困りごとやお気づきのことなどございましたら、いつでも当館にご連絡ください。
 
より多くの日パ両国の皆様の温かなご支援とご協力を頂きながら、日本とパキスタンとの交流が少しでも進展したと言えるような一年となることを切に願っています。
 
駐パキスタン特命全権大使
 赤松秀一