令和6年度天皇誕生日祝賀レセプション 赤松大使挨拶
令和7年2月19日
令和6年度天皇誕生日祝賀レセプション
赤松秀一大使挨拶
赤松秀一大使挨拶
令和7年2月18日
Jam Kamal Khan 商務大臣、ご来賓の皆様、ご列席の皆様、
こんばんは!
本日は、このように多くの皆様にご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
徳仁(なるひと)天皇陛下におかれましては、今月23日、65歳のお誕生日を迎えられます。御即位から7回目のお誕生日となりますが、本日、ここイスラマバードにおきまして、皆様と共にお祝いできますことを大変嬉しく思います。天皇陛下並びにご列席の皆様とご家族のますますのご健勝を祈念申し上げます。
私が昨年11月末に駐パキスタン日本国大使として着任してから、早くも3か月近くが経過しました。この間、イスラマバードを離れてラホールやカラチを訪問したほか、タキシラなど幾つかの世界遺産を視察する機会がありました。直接お目にかかった数百人を超えるパキスタンの皆様から、「日本のことを尊敬している」、「日本人や日本産品を信頼している」などなど日本に対して非常に好意的な評価をたくさんお聞きし、日本との更なる関係強化を期待している友人が非常にたくさんいることに勇気づけられました。同時に、両国間の協力空間はまだまだ無限に広がっていることも実感しています。
本年は、第二次世界大戦終結から80年、国際連合創設80周年という節目の年です。日本は、2023年から2024年までの2年間、第12回目となる国連安保理非常任理事国を務めてきましたが、その後を受けてパキスタンが、本年から来年末まで、第8回目となる国連安保理非常任理事国の大役を担われています。現在、国際社会の随所で「法の支配」に大きな挑戦がもたらされており、国際社会の平和と安定を回復することが喫緊の課題となっています。国際場裏においては、分断や対立が深刻化している国際社会を、融和と協調へと導いて行くために、日本はパキスタンと力を合わせて協力を進めて行きたいと考えています。
二国間関係に目を転じますと、パキスタン政府は、昨年末に「ウラアン・パキスタン」5か年計画を発表し、固い決意をもって経済成長路線を堅持する姿勢を明確にされました。日本政府としても、これを歓迎すると同時に、これまで70年以上にわたって行ってきた支援実績も踏まえ、様々な分野でより効果的な協力を行って行きたいと考えています。
一方、日本国内では、石破内閣総理大臣のリーダーシップの下、外交・安全保障体制の強化、防災、感染症対策などの危機管理への対応とともに、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現し、人財尊重を基軸とする、「楽しい国」づくりを目指しています。
今年は、日パ両国の外交関係樹立から73年目を迎え、日本がパキスタンに対して政府開発援助(ODA)の供与を開始してから71年目となります。この間、日本政府は、相互尊重と相互協力の考えに基づき、「魚を提供するだけでなく、魚の釣り方も教える」という日本の援助哲学に則った支援を続けてきました。これからも、人材育成を含め、パキスタンの人々の暮らしの向上に役立つ開発協力を一層推進して行きたいと思います。
人材育成と人材供給面での協力の強化を進めることは両国の利益に合致していると考えます。現在、日本経済が直面している課題の一つとして、少子化に伴う労働力不足がある一方で、パキスタンにおいては優秀な人材の供給に余剰が生じている状況があります。日パ両国間でWIN-WINとなるようなマッチングが進むことを期待しています。
また、コロナ禍の終息した今年は、日パ両国の間での人と人との交流を強化して行きたいと思います。ハイレベルを含めた相互訪問を積極的に展開して行くことで、お互いに等身大の相手国に対する理解を深めて行くことが重要と考えています。特に、本年4月から10月にかけては、日本で「大阪関西万国博覧会2025」が開催されます。「百聞は一見に如かず」ですので、この機会に、ハイレベルを含め、より多くのパキスタンの皆様に来日して頂けますよう期待しています。人的交流に合わせて、両国間の文化交流が盛んになることも大いに期待しています。
本日のレセプションでは、そうした思いと期待も込めて、日本人学校の生徒の皆さんによる和太鼓とソーラン節の演奏、日本大使公邸の料理人他による和食の提供、生け花や盆栽といった日本の伝統文化の展示、JICA、トヨタ・インダスモータース、スズキ、ホンダ、出光等の日系企業各社様のご協力による様々な展示を用意させていただきました。お時間の許す限りご堪能ください。
最後に、日パ両国間の人的往来が一層活発になり、新しい時代の要求にふさわしい協力関係が形成されることを期待し、本年の天皇誕生日に際しての私の挨拶といたします。ご静聴ありがとうございました。
駐パキスタン特命全権大使
赤松秀一
赤松秀一


