令和7年度天皇誕生日祝賀レセプション 赤松大使挨拶

令和8年2月10日
令和7年度天皇誕生日祝賀レセプション 赤松大使挨拶
                                       
ザルダリ大統領閣下、
ご来賓の皆様、ご列席の皆様、
アッサラーム・アレイクム、こんばんは!

 本日は、皆様にご参集賜りまして、誠にありがとうございます。
徳仁(なるひと)天皇陛下におかれましては、今月23日、66歳のお誕生日を迎えられます。御即位から8回目のお誕生日となります。本日、ここイスラマバードにおいて、ザルダリ大統領閣下を始めとするご列席の皆様と共にお祝いできますことを大変嬉しく思います。天皇陛下並びにご列席の皆様及びご家族のますますのご健勝を祈念申し上げます。
 
まず始めに、先週金曜日にイスラマバードのモスクで発生したテロ行為による犠牲者とそのご家族に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、怪我をされた方々の早期回復を祈念申し上げます。いかなる理由があろうとも、テロ行為は断じて許されるものではなく、日本政府はいかなるテロ行為も強く非難します。同時に、パキスタンの政府及び国民との連帯を確認します。
 
さて、ご高承の通り、日本国内では、昨年10月に日本で初めて女性として総理大臣に就任された高市早苗総理大臣の下、一昨日、衆議院議員総選挙が行われました。開票の結果、与党の自由民主党が3分の2以上の議席を獲得し、日本の憲政史上における最多議席数を記録しました。この結果、今後は、これまでよりも、より安定した政権基盤に基づいて、高市総理が日本の国政に対して指導力を発揮されることが予想される状況となりました。
 
国際場裏では、非常に遺憾ながらロシアによるウクライナ侵略が依然として継続しているほか、中東地域やアジア地域における安全保障環境も不透明・不安定さを増しています。また、人類の長い歴史から得られた教訓と深い反省に基づいて策定された様々な国際ルールや国際秩序に揺らぎが見られ、国家や民族の間で分断や対立が深まっています。このような時代だからこそ、融和と協調の理念を堅持し、同士国が力を合わせて世界の平和と繁栄を確保していくことが一層重要です。日本政府は、引き続き、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を重視し、法の支配や国連を中心とする多国間主義を堅持して参ります。こうした価値観は、パキスタン政府とも広く共有しているものと認識しています。パキスタンは、昨年に引き続き本年も国連安保理非常任理事国として国際社会において重責を担われます。我が国はパキスタンと力を合わせ、様々な国際的な課題に取り組み、より良い未来の実現に向けて歩んで行きたいと考えています。
 
日本とパキスタンの二国間関係に目を転じますと、昨年4月から10月まで日本で開催された大阪関西万国博覧会2025を通じて、多くの交流が実現しました。この万博では、人間や環境に優しい最新のテクノロジーが多数出展され、世界各国から訪れた2900万人を超える来場者に深い感動を与えました。その中で、ピンク・ソルトで構成されたパキスタン・パビリオンには、180万人を超える来場者が訪れ、万博の閉幕式において、展示部門のブロンズ賞、エディターズ・チョイス賞の2つの賞を受賞するなど大変な好評を博しました。それ以上に、パキスタン・パビリオンは、日本人の間に、パキスタンに対する興味と親近感を惹起する役割を果たすことが出来たのではないかと思います。
 
 また、万博の開催期間中には、ジャム・カマル・カーン商業大臣、マリヤム・ナワーズ・パンジャブ州首席大臣、ハルーン・アクタル・カーン産業・生産担当首相特別補佐官等が公式に訪日するなど、日本とパキスタンとの間のハイレベルの交流が相次いで実現し、両国関係が久しぶりに活況を呈しました。
 
 本年は、以下の3分野を中心に、更に二国間関係を強化していきたいと考えています。
 
 第一に、両国間の人的交流を通じた相互理解と協力の拡大及び深化です。
本年9月から10月には、国際的なスポーツ・イベントである「アジア・アジアパラ競技大会」が日本の愛知県名古屋市で開催されます。パキスタンを含むアジアの45カ国・地域からスポーツ選手や関係者が参加する一大イベントであり、スポーツを通じた国際交流・相互理解の機会となることを期待しています。パキスタン選手団のご活躍を祈念するとともに、この機会に、是非、パキスタン政府ハイレベルを含む多くの皆様に訪日して頂きたいと考えています。
 
第二に、両国間の経済的な結びつきの強化です。
日本政府は、1954年以来、72年にわたって、インフラ整備、保健・衛生、上下水道、電力、防災その他多岐にわたる分野で、パキスタンの人々の生活レベルの向上に役立つ政府開発援助(ODA)を供与してきました。円借款の供与による大規模案件については、2017年以来停止しておりましたが、近く再開することを予定しています。
また、資源開発分野においても、相互尊重と相互協力の考えに基づき、積極的な協力を推進して行く予定です。
最近、パキスタンのIT産業の成長が著しいことにも注目しています。複数の日本企業がパキスタンのIT人材とのマッチングに取り組んでいるほか、JICAもパキスタンのIT分野で技術協力プロジェクトを実施しており、AI分野でもNUSTとの間でAIセミナーを先月開催するなど、新しい協力を進めています。
 
第三に、日本食の紹介に力を入れていきたいと思います。
ご存じの通り、日本人の平均寿命は、長年にわたって世界トップ・レベルですが、その主要な要因の一つは日本食にあるとも言われています。日本料理というと寿司や天ぷらが知られるようになってきましたが、和牛が大好きだという人も増えてきました。お互いの食事を理解することは、相互理解を進める上での一助にもなると思います。
本日は、パキスタン料理の他に、日本大使公邸の料理人等が丹精を込めて作った和食も提供致します。お馴染みの寿司、天ぷらに加え、新たに和牛も用意致しましたので、是非、試食してみてください。
 
本日のレセプションでは、ラホールの草月スタディ・グループ及び盆栽ソサエティによる生け花や盆栽といった日本の伝統文化の展示、JICA、トヨタ・インダスモータース、スズキ、ホンダ、ヒノ、出光、双日、そして日本の教育サービスの公文等の日系企業各社様のご協力による様々な展示もございます。また、日本の美しい富士山や満開の桜を背景に写真が撮れるフォトブースを2か所設置しております。いずれも、お時間の許す限り、ご堪能ください。
 
 最後になりますが、ザルダリ大統領閣下及びご列席の皆様の日頃からの日パ関係へのご理解とご支援及び日本大使館へのご厚意に深く感謝を申し上げます。日パ両国間の人的往来が一層活発になり、新しい時代の要求に相応しい協力関係が構築されて行くことを祈念し、私の挨拶といたします。
ご清聴、ありがとうございました。
(了)