倉井大使離任の挨拶
平成31年1月11日
倉井大使離任離任の挨拶
この度,2 年10 カ月ほどに及ぶ当地での勤務を終え,離任することになりました。この
間の皆さまのご支援,ご協力に改めまして御礼申し上げます。
私にとってパキスタンは全く初めての勤務地で,当初は戸惑いもありましたが,とにも
かくにも任務を遂行することができましたのは偏に皆さまのご支援のたまものと感謝いた
しております。
小生の任期において,常に念頭から離れなかった第一の点は,邦人の皆様の安全です。
幸いなことに,これまで邦人の方は誰一人としてテロに巻き込まれたりすることなく,無
事を見届けることができましたことに,心から感謝しております。当地の軍・治安機関の
精力的な反テロ作戦の実施等により,当地の治安状況は年々大きく改善してきており,こ
の状況が更に続いていけば,日本からも更に多くの投資がなされるでしょうし,かつての
ように多くの日本人が観光に訪れる時代が来ることを願ってやみません。
日ごろの勤務において,特に留意してきたもうひとつの点は,日パ経済関係の推進と日
本企業に対する支援であります。パキスタンは2 億人を超える人口を抱え,かつ63%が30
歳以下という,非常に活力あふれる人口構成をもっています。戦争やテロ等がなく,平和
な環境がありさえすれば,一国の経済発展を支える最も重要な要素は人口である筈であり,
その意味で,パキスタンに大きな潜在力があることは間違いありません。難しい問題は多々
ありますが,機会の窓が開かれたときには,複雑な問題を根気よく解決していき,双方の
利益につなげていく努力が重要であり,そのために大使館としてなすべきことを見落とし
てはならないと自らに言い聞かせてまいりました。
また総じて,日パキスタン関係発展のための政治的な基礎を形成すること,そのため特
に政治レベルでの人的往来を活発化させることは,私にとって最重要課題の一つでありま
した。幸いにも,昨年は1 月始めに河野外務大臣が外務大臣として9 年ぶりにパキスタン
を訪問し,その後,堀井外務大臣政務官,中根外務副大臣,薗浦安全保障担当総理補佐官
が訪問され,また議会交流の面でも衛藤征士郎会長を始めとする日パ友好議連代表団が当
地を訪れて,いずれもパキスタン側と非常に有意義な意見交換を行いました。更に12 月に
はラザク・ダウード商業担当首相顧問の出席を得て東京にて官民合同経済対話が行われ,
日パ間の貿易・投資の拡大につき活発な議論を行いました。本年は,更にパキスタン側か
らの訪問がこれらに続き,相互の人的往来が一層活発化して,政治・経済・文化の各方面
において,関係が一層深まっていくことを心から願っております。
当地での任務,また生活は決して楽ではありません。しかしながら,パキスタンの方々は
常に我々を歓迎し,大変友好的に接してくれたことに感謝しております。当地では特に,
日本と日本人に対し大変肯定的な見方が定着しており,このことも仕事と生活の両面にお
いて,とても大きな肯定的要素であったと思います。これは今日に至るまでの邦人の皆様
の並々ならぬご努力のたまものであり,その意味で,現在のみならず過去において当地で
生活された方々,また日本でパキスタンに関わってこられた方々に,心から感謝いたしま
して,私の離任挨拶とさせていただきます。
在パキスタン特命全権大使
倉井 高志
間の皆さまのご支援,ご協力に改めまして御礼申し上げます。
私にとってパキスタンは全く初めての勤務地で,当初は戸惑いもありましたが,とにも
かくにも任務を遂行することができましたのは偏に皆さまのご支援のたまものと感謝いた
しております。
小生の任期において,常に念頭から離れなかった第一の点は,邦人の皆様の安全です。
幸いなことに,これまで邦人の方は誰一人としてテロに巻き込まれたりすることなく,無
事を見届けることができましたことに,心から感謝しております。当地の軍・治安機関の
精力的な反テロ作戦の実施等により,当地の治安状況は年々大きく改善してきており,こ
の状況が更に続いていけば,日本からも更に多くの投資がなされるでしょうし,かつての
ように多くの日本人が観光に訪れる時代が来ることを願ってやみません。
日ごろの勤務において,特に留意してきたもうひとつの点は,日パ経済関係の推進と日
本企業に対する支援であります。パキスタンは2 億人を超える人口を抱え,かつ63%が30
歳以下という,非常に活力あふれる人口構成をもっています。戦争やテロ等がなく,平和
な環境がありさえすれば,一国の経済発展を支える最も重要な要素は人口である筈であり,
その意味で,パキスタンに大きな潜在力があることは間違いありません。難しい問題は多々
ありますが,機会の窓が開かれたときには,複雑な問題を根気よく解決していき,双方の
利益につなげていく努力が重要であり,そのために大使館としてなすべきことを見落とし
てはならないと自らに言い聞かせてまいりました。
また総じて,日パキスタン関係発展のための政治的な基礎を形成すること,そのため特
に政治レベルでの人的往来を活発化させることは,私にとって最重要課題の一つでありま
した。幸いにも,昨年は1 月始めに河野外務大臣が外務大臣として9 年ぶりにパキスタン
を訪問し,その後,堀井外務大臣政務官,中根外務副大臣,薗浦安全保障担当総理補佐官
が訪問され,また議会交流の面でも衛藤征士郎会長を始めとする日パ友好議連代表団が当
地を訪れて,いずれもパキスタン側と非常に有意義な意見交換を行いました。更に12 月に
はラザク・ダウード商業担当首相顧問の出席を得て東京にて官民合同経済対話が行われ,
日パ間の貿易・投資の拡大につき活発な議論を行いました。本年は,更にパキスタン側か
らの訪問がこれらに続き,相互の人的往来が一層活発化して,政治・経済・文化の各方面
において,関係が一層深まっていくことを心から願っております。
当地での任務,また生活は決して楽ではありません。しかしながら,パキスタンの方々は
常に我々を歓迎し,大変友好的に接してくれたことに感謝しております。当地では特に,
日本と日本人に対し大変肯定的な見方が定着しており,このことも仕事と生活の両面にお
いて,とても大きな肯定的要素であったと思います。これは今日に至るまでの邦人の皆様
の並々ならぬご努力のたまものであり,その意味で,現在のみならず過去において当地で
生活された方々,また日本でパキスタンに関わってこられた方々に,心から感謝いたしま
して,私の離任挨拶とさせていただきます。
在パキスタン特命全権大使
倉井 高志